≪記憶のスケッチ⑤≫ カレル・ファブリティウス 《ゴシキヒワ》 ハーグ
マウリッツハイス美術館
マウリッツハイスと言えば、なんといってもフェルメールの『真珠の耳飾りの少女』や、大好きな『デルフト眺望』、レンブラントの怪?作『テュルプ博士の解剖学講義』などが有名です。 それらは強く記憶を刺激するスター級作品ですが、控えめに、でも、甘~く私の記憶をくすぐってくれるのが、この『ゴシキヒワ』。
レンブラントの高弟で、フェルメールなどオランダの画家たちに強く影響を与えたとされるカレル・ファブリティウスの作品です。 けっして饒舌ではないのですが、小鳥を飼えない人でも、この絵を飾っておけば心が少し癒されるんじゃないか、、、と思えるぐらい、親密な心持ちにさせてくれる絵です。よく見ると、ゴシキヒワの足には細い鎖が付けられています。「離したくない💛」という想いまでが伝わってくる感じです。 ファブリティウスは、有名なデルフトの火薬工場の爆発で若くして命を落としました。将来を嘱望されていた彼はさぞかし無念だったことと思います。 残存する作品はフェルメールより少ない10点程度だそうですが、「こんな素敵な絵を遺してくれてありがとう!」と伝えたい。
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